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人の世の「あったらいいな」と、その解決法まとめ

「亡くなる前にもう一度お話をしたかった」への解答

「亡くなる前にもう一度お話をしたかった」

出所:自分です[2014]

自分が社会人ホヤホヤだった頃に大変お世話になったお客さんが、急逝された。

誰に対してもおおっぴろげで、時に厳しくとても優しい、親分のような方だったので、以下親分さんと書かせていただきます。

昼間に、社内連絡が入り、夜のお通夜に駆けつけようと思っていた。その矢先、新年度のトラブル対応に追われることとなった。

親分さんと最も印象に残っているのは、東日本大震災の時。その時、停電で重要なシステムが全停止した。在庫は被災し、なにがどれだけあるのかもわからない状況。受注とか配送とか請求とか調達が全部手対応になって、それぞれの現場、現場間が大混乱になった。親分さんはもともとバックヤードに幅広く精通していたから、自分のチーム(30名くらいだったかな)をあげて、その混乱を抑えるために乗り出した。

当時親分さんのチームを業務委託という形で支援させて頂いていた自分も、その対応の支援をさせていただくことにした。事務や配送や受注調達部門を集めて打ち合わせをして、状況を整理して、対策決めて展開してっていう活動にあけくれた。そうこうしているうちに、電源車が調達できて、対応が整理できてってして徐々に沈静化した。

今日のトラブル対応が、そのときの状況とかぶって。親分さんが言っていたんだ、「三遊間を、誰かが守らないといけない」って。三塁と遊撃を守っている人がいても、その間は空いているから、自分の持ち場を超えて、誰かが守らないと、うまくいかないって。

おれが今してる仕事も、まさに三遊間を守る仕事。社内の誰も拾わないけれど、誰かが守らなければいけない領域を守るという支援を、親分さんの会社とは違う会社でさせていただいている。
今日のトラブル対応では、複数部門の人と話して状況を整理して対応決めて指示出して作業して依頼してってして、人を巻き込みながらなんとか片付けきった。おれ、あの頃よりも少しは成長したなと思って。

親分さんの会社を離れるときに、親分さんに、また成長した姿でお仕事ご一緒にしたいですと言ったら、そうだなまた来いって言ってくれたっけ。
そんなことを思い出していたら、電話を各所にかけながらパソコン叩きながら、涙が出そうになった。あのときよりも成長したよ、おれ。けどその自分を、親分さんに見せることは、もうできないんだって。

親分さんがもしかして、どこかで三遊間を守っているおれを見たくて、今日のトラブルを与えてくれたのかなと都合の良い思い込みをした。片付けきった。

親分さんは業務委託の自分なのに、親分さんの息子と同じ年齢ということで、我が子のようにかわいがってくれたっけ。

平日に一緒に休みを取って、ゴルフに行ったっけ。150とか叩く自分にイライラする素振りも見せずに、おれのする失敗を笑いながら、うまくいく方法をあれこれと教えてくれたっけ。息子に教えるみたいに。

大したクラブを持っていないおれを見て、自分の家で余ってるゴルフセットを譲ってくれたっけ。今でも持っているよ。

東日本大震災の時は、地元が東北のおれのことを心配して、公衆電話の場所を探して、ありったけのテレホンカードを全部くれて、「公衆電話ならつながるかもよ」とか言ってくれた。両親と連絡がついたことを報告すると、よかったなぁよかったなぁって、半泣きになりそうになりながら肩を叩いてくれた。

毎日、昼ごはんは一緒に行っていろんなことを話したし、飲みにもよく誘ってくれて行った。
「おれはいろんな人にいろんなことを教えてもらったから、お前にも教えてやる」って。業務委託のおれに、成果を求めるだけじゃなくって、おれを成長させようと考えて仕向けてくれた。そんなお客さんは、親分さんの後にはいない。

親分さんの会社を離れてからも、もっと連絡取ればよかったよ。ゴルフ誘えばよかったよ。飲みに行きたかった。仕事の場じゃなくても、成長している自分を見せたかった。
でももう遅いんだよな。

ドラえもんの解答「タイムマシン」

出所:ドラえもん1巻[1974]「プロポーズ作戦」

ドラえもんの世界はいいよな。タイムマシンがあるから。ご先祖様にも会いに行けるし、亡くなったおばあちゃんにも会いに行ける。これがあれば、親分さんにも現況を報告できたのに。

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人類の解答「(考え中)」

交流を続けておくこと以外にあるだろうか。過去にさかのぼって、話をすることはできないのか、魂呼び出すとかいう人いるけど、そういうことじゃなく、直接話がしたい。

ただただ、ご冥福をお祈りいたしております。

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